昨日の浜名湖クラフトフェアーでいつもお会いする糸屋のおじさんとすっかり話しこんでしまいました。
今年84歳になられるこのおじさんは、変わった糸を使いたい織物作家たちに大人気。どんな糸でも用意してしまうんだそうです。
昨日も、糸屋さんという事を承知しながら、純綿を欲しいのだがと言ってみたら、「あるよ、見本送るから住所書いて」と快く引き受けてくれました。今は、お持ちでないのに、探してくれるのだろう。
続けて、「著名な織物作家さんに頼まれていろいろ探して糸を用意したんだ。もらったのは1500円。だけど金じゃないんだよ。また次の出会いを持ってきてくれるんだよ」とおじさん。
運転が出来ないおじさんを愛知県からこの会場に、荷物と一緒に送り届けてくれる人がいるそう。
愛知県に工房を持つこのおじさん昨年末に東京秋葉原に進出したそう。とにかく一人でやっているので、東京は月1回の土、日営業とか。
「ビジネス街で土日は誰も通らない所だから、知り合いからただで借りている。ところが面白い人が訪ねて来るんだよ。だから、ホテルと交通費でとんとんなんだけど、それでいいんだ。お客さんで、宣伝もしないのに、注文が途切れなくて忙しくてしようがないという人がいるけど、私は何か足らないのかね。」
「
サムシングがないんだよ」高齢のおじさんから的を得た英語が飛び出し、またしてもびっくり。
自分の人生を笑い飛ばす粋なおじさんであった。
「あんたたちは若いんだから、ちゃんと儲かる仕事をしなくちゃいかんよ」
「これから先、もう何年もこの仕事できないから、何でも教えてあげるよ」
ありがとう、おじさん。いろいろ教えていただいて。また、会いにくるね。
帰り道の夕焼けの中でライムライトのチャップリンを思い出していました。